武田邦彦氏の「温暖化地獄」の幻想
相手は「地球温暖化懐疑論」。こいつをバスターするのは、正直手に余る。
と言うわけで。今回の手法は「地球温暖化懐疑論批判(東京大学:IR3S)(原本はこちら)」 を唯一の武器にすることとする。(以下「懐疑論批判」と略する)
もちろん、この本もまた、科学的思考法により「ツッコミ」を受けるべきものである。(事実、ぶった切り方がまさにバスターどころか、スレイヤーになってる、とか、これは国費を使った国民洗脳本だ、とかいうネタは、存在する。こちら。)そういったわけで、唯一の武器とする手法は、危険な方法でもある。
というわけで、今回は「懐疑論批判」の「はじめに」には、2005年9月、2006年2月の討論資料が元、とあるわけで、それ以降にこの本で突っ込まれるようなことを記しているのは、ツッコミ側の怠惰、とみなしてツッコミ返す、という、ひねくれた手法を用いる。
…この書き出しは、2度目だけど。それではつかまつる。
先進国の中でも、「将来の温暖化」の可能性は半々であると結論づけられている。
これは、参ったぞ。バスター以前のシロモノになりそうだ。
この前に、アメリカの気象学者のアンケートの結果が述べられてるだけで、何故に「先進国のなか」と持って行けるのか。
北アメリカでもカナダ〜はCO2 削減をしていない。
CO2 排出量大オーバーをやらかし、京都議定書からの離脱はしてはいるが「していない」とはこれはいったい?。
かつて日本では「温暖化すると海水面が上がる」と報道され、またゴア元副大統領の本が売れたことから「温暖化で海水面が6メートル上がる」という誤解が定着した。この誤解はゴア氏が「3000年後」という期間を省いたことによって発生し、日本では朝日新聞がおそらく数千年後の事と知っていながら、恐怖を煽るプロパガンダをした。
前者。グリーンランドの氷が全部溶けるという事態でもあれば、6mは正当だが、数百年は無いとされている。21世紀末までの変動はICPPでは18-59cmとしている。
(ただし。30cm上がれば日本の砂浜の半分以上(56.6%)は消滅する(大分県のパンフのP3)&海面上昇の傾向は1000年単位)
もちろん外れる可能性も言えない。より悪い方向に。
朝日新聞のプロパガンダとは、山本弘氏の「“環境問題のウソ”のウソ」であった、「1984年1月1日に出た、2034年1月1日の新聞」という冗談新聞を真に受けたのか?説、を信用しよう。(一応参考)
(しかし、その冗談新聞の記事のウチ、「ベテルギウス超新星爆発の可能性」が本当になろうとは。)
さて戻そう。
ICPPの第4次報告書で「温暖化すると、南極の氷は増える」と明確に記載
懐疑論批判=議論29-6でバスター済み。(PDFの P52)
温暖化による海水面の上昇は熱膨張によって30年で10cm位
懐疑論批判=議論29-1でバスター済み。(PDFの P48)
しかも懐疑論批判で、武田氏の海面ネタは
以上、海面上昇に関して、最新の研究成果やIPCCの報告書の内容について正確に触れずに、一部の都合の良い記述のみを、一見客観的に見えるものの、実は主観的な表現を交えて社会に紹介しているといえる。
と、こっぴどくバスターされてる始末。そのうえ、すでに批判を喰らっている論点をまだ書くか、と。
うわー。これでやっと3ページ弱。これはまだまだ続きそう。