続・武田邦彦氏の「温暖化地獄」の幻想

 なおも続く。昨日までは「現代の科学ではわからない」の章で、今日は「ツバルは元々水没していた」から。

もともとツバルは1897年にイギリスが信託統治したときには水面下だったのだ。それを第二次世界大戦の時にアメリカ軍が1500mの飛行場を作ったことで陸地になったところである。少しは歴史を勉強して欲しい。

 シーランド公国みたいな出来方だったのね、ツバルって。
…んなあるわけあるかい!(と、ついつい「トンデモ本の世界」風の書き方をするのは、反省せねば)

 外務省の基礎データから。

1568年 スペイン人メンダナ、エリス諸島のヌイ島発見
1892年 ギルバート・エリス諸島として英国の保護領となる
1915年 ギルバート・エリス諸島として英国の植民地となる
1975年 ギルバート諸島と分離、ツバルと改名
1978年10月1日 独立

 ヌイ島は、ツバルを構成する9つの島の一つで、1568年にはきちんと海面上には存在してますな。
 しかも、元々水面下ですらないことは、武田氏自身が、ここで書いてある。
(しかし、英国連邦だと言うことは国旗からして明らかなのに、こちらではなぜ米国の信託統治、と書くんだろうか? 
「少しは歴史を勉強して欲しい。」)

 あと追記すれば。「1897年にイギリスが信託統治」はあくまでも原文ママ
(どこから出てきたのか、誤植か誤記か…さっぱり。)

 ツバルの水没については、一応、懐疑論批判 28(PDF P48)を用意するか。

最近ツバルでは洪水の被害が甚大になりつつある。その要因としては、ローカルな人間活動でサンゴの健康がそこなわれたことや、人口増加に伴って土地利用が浸水常襲地帯まで広がったこともある。
しかし、グローバルな海水準上昇も上に述べた程度には寄与しており、温暖化が進めば、それはますます重大になると思われる。

 まぁこの後に水蒸気の話が続くが、これは懐疑論批判の「3.5. 地球大気の構造・光学特性に関する議論」の序文、

地球上の全球平均地上気温を理論的に説明するのに大気の温室効果は必須である。
大気の温室効果に最大の寄与をする物質は水蒸気だが、海のある地球上では大気中の水蒸気量は大局的には温度に伴って決まる。
したがって水蒸気は温度変化に対して正のフィードバックの要因として働き、外的強制作用としては重要でない。

第2の寄与をするのが二酸化炭素であり、この濃度が人間活動によって増加していることは気候に対する外的強制作用として重要である。

で、バスターが可能かな。

 次章「影響の出る国の対策は」だが、こちらは政治問題になる故切り分ける。
 ただし、

日本だけが締結、批准して大災害


は、懐疑論批判 第5章 京都議定書の評価で、バスター済み。

 さて、まだ続く。