続々・武田邦彦氏の「温暖化地獄」の幻想

 実は、先のエントリには正確性を欠いていました。

もともとツバルは1897年にイギリスが信託統治したときには水面下だったのだ。それを第二次世界大戦の時にアメリカ軍が1500mの飛行場を作ったことで陸地になったところである。少しは歴史を勉強して欲しい。

 正確には「キングタイド」という大潮の時に沈むことはある。
こちらがその写真
 しかし、人口増による湿地帯への進出も一因ではあるそうだが。

というわけで、

月に何日か来る大潮の時にはすっかり島は海の下

は、まるっきり間違いとも言い切れない。実はこれを書く前に、ツバルは泣いている・・・“ツバル”で子供に教えることをバスターするエントリを書いていたが、失敗。なるほど、山本弘氏が大コケにコケた理由がここにあったか…。

温暖化の気持ちのonkimoさまの言うとおり

私には、このマチガイとホントの混ざり具合がなにやら最上級の霜降り肉のように思えてなりません。

に同意。

 さて本題…を書こうと思ったら。
 政治ネタを削り、NHK矛盾ネタも削り、鳩山演説も削り。
地球温暖化があると確定しても「それは未来のこと。そんなさきのことはわかんねーぜ!」式の政策を採られても、それもまたあり、ともいえてまう)。
 なんと、バスターをすることが出来ない。出来てもマチガイとホントの混ざり具合がよすぎて、全くもってうまくいかない。

CO2の排出量は、1990年に比し、2005年には14%も増加したのだ。

 2008年の速報値では+6.3%にまで削減(とはいえ、これは景気減速によるモノだけに、威張れるシロモノでも無いのが事実だが)
参考 pdf

リサイクルにかける税金が4,200億で、それを排出権買い取りに回せば財源はある。

 購入先が、排出削減の方向に持って行くとは思えない故、安くすむ=よいこととは言い切れない。(参考
 

筆者の考えによると、日本は紙面を海に囲まれ、かつ温帯にあるので温暖化は被害をもたらさない。これに対して三大国(米中露)の内陸部はかなり被害を受ける。
(中略)
積極的に温暖化を進めても、日本にとって有利な状況がもたらせられるのは2050年以降であろう。

は、まぁWiLLですから、という文だな、という感想を持ったのが精々か。
(食い扶持を外国に頼ってる日本が、三大国の穀物価格が干上がったらお手あげモノではないのか?とか、こんな記事もあるくらいで、たとえ温暖化で農産物増産になったとしても、果たしてそれはどうかな?と)

…とまあ、このくらい切れ味が悪くなる。

「優等生的・革新的」「良識的」「道徳的」うぜー!という層を取り込めるし、ざけんなNHK!お役所、鳩山総理という相手に、ヘタに反論をするとこれも返すのが苦しくなる。
(しかも、WiLLだけに「ざけんな、NHK!鳩山総理!」は受けるから、余計)

ところが日本では、前東大総長と「懐疑派バスターズ」というグループを結成した若手の科学者が、まともな疑念を示す槌田先生などの学者を権力を使ってバスター(やっつける)を始めたのは数年前のことです。

私も多くの被害を受けました。でも、とてもおかしいのです。

「温暖化推進派」は今では学会で主流派ですし、かつ、国家の保護を受け、推進派に所属する学者は研究費や出世などの点で、なに不自由することなく研究をしているのですから、待遇が悪い懐疑を示す学者を「やっつける」必要など全くないのです。

必要がないのにバッシングするということになると、「温暖化の危機をいう学者はデータを偽造しているから、それがばれないために攻撃をしてくるのかな?」と思うのも自然です。(参考

 いや、本も売れ、さんまと競演?までしている上に、バスター側のこの意見には思いっきりうなずける。

自己利益だけのために温暖化対策に反対する人々に都合よく使われ、温暖化対策は必要不可欠という社会意識の醸成を阻むボディーブローのように利いている懐疑論に対しては、(疲れるなと思いつつも)一つ一つ丁寧に反論をしていかねばと思う

 ただ、バスターがダークサイドに堕ちる怖さもあるし…。