いい加減本題に入らねば
さて、池田整治氏の本を検証した結果、ワタシも黒影氏と同じ結論に至った。
池田氏の主張のほとんどは他人の受け売りだ。
その上インフルエンザ関連も、免疫学関連も、彼の主張にはデマとデタラメしか存在しない。彼には情報の真偽を検証しようという考えがまるでない
他人の受け売りどころか、ネタの参照元無き引用を疑わせるネタもある。Amazonのレビューにもあったけど、
海軍の軍人だった私の父が、貴重な体験をしている。敗戦後。シンガポールで英国に抑留された父は
(中略)
英軍将校の家の清掃作業が抑留された日本兵に命じられた。
(中略)
室内を掃除していると、若い英軍将校夫人がシャワーを浴び、素っ裸で彼らの前を平気で闊歩したそうだ。
(P219-220)
アーロン収容所―西欧ヒューマニズムの限界 (中公新書 (3))
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の会田雄次氏と、池田氏のお父様が同じ体験をしているのなら良いのだが…。
受け売りネタを続ける。
グラバー邸はフリーメイソンの「ロッジ」で、そのエージェントが坂本龍馬だった、と言うネタは
龍馬の黒幕 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン (祥伝社文庫)
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が有名どころだが、あえてここは。
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副島輶彦氏と船井幸雄氏を連結する、こんな文章もあるくらいだ。しかも、副島氏と来れば「陰謀論」。陰謀論のネタには陰謀論で充分。
追記すれば、グラバー邸にフリーメイソンのコンパスと定規のマークのある門があるのは事実だが、1966年の移築。これじゃ民主党ビルの目玉のマークは、米国の1ドル紙幣に通じて…とヨタを書こうとしたら、全然ヨタにならないし!*1
太平洋戦争前後の話は、田母神氏の「あの」懸賞論文(PDF)で充分にダイジェストになる。
国設大学(京城帝国大学は6番目、台北帝国大学は7番目で、大阪帝国大学や名古屋帝国大学よりも先に作った云々)、ルーズベルト政府内の300人共産党シンパ&ヴェノナ文書が共通ネタだ。
東京裁判はあの戦争の責任を全て日本に押し付けようとしたものである。そしてそのマインドコントロールは戦後63 年を経てもなお日本人を惑わせている。
ここだけ書き出すと、池田氏か田母神氏かわかったモンじゃない。*2
GHQ における戦後政策については、同じ「あの」懸賞論文入賞作である、
「真の近現代史観〜日本人としての自信と誇りを取り戻そう!(諸橋茂一)」(PDF)を持ち出せばオッケーだ。
おあつらえ向きに「ある民族を滅ぼすためには、その民族の歴史を消し去ればよい」をもちいてるし。
そしてそれらを「フリーメイソンとかイルミナティとかビルダーバーク=ソサエティとか言われている連中が牛耳っている」と、ネタを串刺しにすれば…この本のダイジェスト版いっちょあがり。
ただ、あちこちからネタを切り貼りした「ネタのキメラ状態」故、一つの本の中で「衝突」が起きている。
インターネットによる「第5の民主勢力」の萌芽(P76-80)では、「インターネットの存在が、広告代理店&大手マスコミ(=それを支配する国際金融機関体制)を暴いた(P76-80)」
と言っているかと思えば
「インターネットに流れる情報も、米国内の巨大コンピュータで蓄積・分析される。アメリカの真の強さは、こうした情報独占という面にある」(P173)
…結局情報独占は続いてるやん。
日本語も大和王朝の中で、漢字を使う大陸系の勢力が主力となったときに、それまでの伝統的な表示文字から漢字に変わってしまった。(P90-91)
↓
「天武帝は高句麗の将軍で、新羅と連合して、反・唐の独立国家を樹立、親・唐の天智帝を壬申の乱で倒していたが、記紀で事実隠蔽&ねつ造があった」(P95-97)
↓
「民族を滅ぼすには、先ずその歴史を消す」(P83)
ということは、聖徳太子のエピソードもねつ造の可能性が出るし、和を以て貴しと云々とはえらくかけ離れる。
そろそろおくびが出るが、肝心の「医療系トンデモ」「波動」「DNAをオン」、「霊性」「勘違い以下の問題発言」等々を拾わねばならない。
と言うわけで、まだ続きます。