「脳」と聴くとまず一歩引いて考えるようになった、バスター見習い。

 コンピューターを利用した脳トレーニング(脳トレ)は、健康な人の思考力や記憶などの認知機能を高める効果は期待できないことが、ロンドン大学などの1万人以上を対象にした実験で分かった。

 脳トレは世界的ブームになっているが、大規模な検証はほとんどなかった。英科学誌ネイチャーで21日発表した。
参考

 これですね(pdf)。
 大阪大の藤田一郎教授も、そういえば「脳トレ批判」ネタをやっていたけど、教授にの概略に内容の解説を頼る。

イギリスのBallardらによる「脳トレの認知機能上昇効果」を検証した大規模疫学調査の報告です。この調査を行っていることは昨年9月ころ何かの記事で読みました。脳トレによるトレーニング効果は訓練をしたタスクのみに見られ、他の機能にはまったく転移しないという結果です。結論は、11,430人の被検者のデータに基づいています。

これで決着がついたわけでなく、脳トレ問題はまだ多くの未解決な点を残しているのですが、科学的議論に値する材料が増えました。

 これに対抗して、きちんとした論文を用意できれば、科学的議論になるわけで、ワタシも結論は先送りに。
(いや、ゲーム脳のように、データの取り方が恣意的すぎる、とか、「〜と考えられる」という印象論がゲーム脳の判定基準なのはどうよ、とかいうのは論外)

 さて本題。【日本よ】石原慎太郎 「当節、若者気質」 の「脳幹論」で頭が痛くなったので、バスター。

子供の耐性を培うのは親の責任であって、今日多くの親が子供をただ甘やかせ子供に媚びることで実は子供を根本的に損なっているとしかいいようがない。

 帰するところは動物行動学者のコンラッドローレンツが説き、この日本においても大きな犠牲を払ってヨットスクールの戸塚宏氏がそれを実証した脳幹論の問題であって、この豊穣(ほうじょう)便利な文明の中でそれに溺れて子供に我慢を強いなかった無責任な親たちが子弟の脳幹を発達させず、基本的にひ弱な『子供大人』を育てたところにある。

 脳幹とは人間が人間として生きて行くために絶対に必要な、外部に対する強い反応を備えるべき部分であって、仮にそれがわずかでも損なわれれば人間は死んでしまう。

 暑さ寒さへの反応に始まり、怒り、悲しみ、愛情、憎しみといった人生に強い衝動をもたらす機能はすべて脳幹に備えられているが、物事に耐えてそれを抑制することで脳幹、即ち人格は鍛えられる。それは子供にとってはある種の苦痛でもあるが、それを強いることでの苦痛を超えることで子供は鍛えられていくのだ。

 ローレンツは、『子供の頃甘やかされ肉体的な苦痛を味合うことのなかった子供は、長じて必ず不幸な人間になる』といっているが、暑ければ冷房、寒ければ暖房、ひもじければふんだんなおやつといった現代文明の与える便宜のいたずらな享受は結局耐性のない、つまり極めて弱い『子供大人』をしか作りださない。

 コンラッドローレンツは、刷り込みの人だろ?と首をひねっていたら、あっさりと解決
 脳幹は鍛えようがないし、ここを破壊されたら「破壊王橋本真也」…。それを鍛えようがあるのなら、その方法を教えてほしい。

 しかも斉藤環氏の名を出しているが、「ゲーム脳バスター」としての氏の名を使って、脳みそネタのトンデモ…って、なんかのギャグ、ですかそれ?

「ウソでも百回、百カ所で先に言えば本当になる」が中国人の国際世論づくりだと本書は言う。
参考

という書評があったけど、それを実行してどうする?
(それを(結果的に)実行されたおかげで、ゲーム脳はともかく、血液型に関しては、バスターが「きわめて困難」というザマ。)