人材豊富、といっちゃってよいのかぁ?

 トンデモ本大賞決定に出遅れた!

 今年度の日本トンデモ本大賞は杉山徹宗(すぎやまかつみ)『平和宇宙戦艦が世界を変える』に決定しました。
参考

 タイトルだけの判断になるけど、なかなか内容もすごそうだ。

目次
1 高度技術で「プロジェクトX」を立ち上げよ
地球を悩ます諸問題/地球外からも危機が迫っている/日米同盟の価値は大幅に減少/中国の対日戦略は日本を属国化する事/日本が今始めなければならない事は/世界が求める日本のリーダーシップ/日本のプロジェクトXは人類を幸せにする

2 日本だけが持つ新型宇宙船の画期的技術
ロケットの打ち上げリスクと構造上の欠陥/ジェット機で宇宙へ行ったスペースシップ2/ロケットに代わる新たな推進技術とは/日本だけが持つ画期的な洋上フロート技術/カプセル型宇宙船の落とし穴は三つ/防衛産業と中小企業パワーが必要な宇宙海洋開発

3 レーザー技術が世界の難問を解決に導く
最先端を走る日本の技術/軍事技術としてのビーム/如何にしてマッハ26の弾道ミサイルを照準するか/全ての紛争と対人地雷、宇宙ゴミを解決/温暖化を防ぎ、食糧増産に活躍/医療技術に貢献するレーザービーム

4 日本が建造する巨大宇宙船とは
巨大宇宙船の構造はこうなる/巨大宇宙船の装備と飛行士は/平和宇宙戦艦一隻の値段は五千億円/大量破壊兵器とMDの泣き所/中華帝国実現の夢を放棄させる

5 米国が平和宇宙戦艦建造を渋る訳
日米共同開発が理想的な訳/真の日米同盟が問われている/なぜ米国は平和宇宙戦艦の建造を逡巡するのか/軍隊は今後百年間は無くならない/オーストラリアも賛成の平和宇宙戦艦プロジェクト

6 平和宇宙戦艦がもたらす政治・外交上の効果
対日照準中の核弾道ミサイルを無力化/在日米軍は全て日本から撤退する/領土は確実に日本に還る/拉致被害者の救出ができる/「宇宙海洋開発省」は官僚制度改革の試金石となる

7 日本に数千億兆ドルの外貨をもたらす
超音速旅客機の実現を早める/宇宙旅行は日本の巨大宇宙船で/軍事紛争が無くなると日本は超経済大国となる/地球的規模の旅行ブームとなる携帯型自動翻訳機/子供達に夢を与える効果は絶大/技術窃取を防いだ上で「平和宇宙戦艦」の建造を
参考

「日米同盟の価値は大幅に減少」という割に「日米共同開発が理想的な訳」とは、ずいぶんアメリカも鷹揚だなー、とか、「軍隊は今後百年間は無くならない」のに、「軍事紛争が無くなると日本は超経済大国となる」とはこれいかに?とか、相互矛盾が目次の時点で生じてるのもものすごい。

 しかしキモはここではなかった。
 この杉山徹宗氏の経歴を見てのけぞった。

著者 杉山徹宗 (すぎやま かつみ)
法学博士。明海大学名誉教授。1965年慶應義塾大学法学部卒業。ウィスコンシン大学大学院修士課程修了。カリフォルニア州立大学講師(在米12年)、嘉悦女子短期大学助教授、明海大学教授を歴任。(財)ディフェンスリサーチセンター理事、陸上自衛隊幹部学校海上自衛隊幹部学校指揮幕僚課程及び高級課程講師。専門は国際関係論、比較防衛学、外交史。


 陸上自衛隊幹部学校海上自衛隊幹部学校指揮幕僚課程及び高級課程講師

 マインドコントロール」の恐怖、再び!

 他の著作もすごそうだ

「侵略と戦慄・中国4000年の真実」の書評を引っかけたけど(渡部昇一氏の推薦の帯を見たところで、トンデモアラート発報モノ)。

とにかくこの本は全編にわたって「中国人はいかに残虐か、侵略的か、非人間的か」を述べまくる。ときおり勢いで筆が滑って朝鮮史にも言及し、ついでとばかりに「朝鮮がいかに中国に対し卑屈で小中華意識を持っていたか」も書いてしまう。で、何が言いたいかというと「日本人がいかに優秀な民族であるか」という結論が出てくるわけだ。何のことはない、「中国叩き」「朝鮮・韓国叩き」を装って「日本自画自賛論」をやっちゃってる本なのだ。正直なところ読後感は「これってホントに中国史の本だったか?」というところだった。
参考


 やはり日本の国防は相当にやばいのかもしれない。

【追記】
 そして、確かに「超音速旅客機の実現を早める」を党是に掲げてる故、ある程度想像はついたけど、ここまで引っかけるとは思いませんでした。

まだ政策にするか未定であるが、地球防衛という観点の宇宙戦艦ヤマトについてであるが、かなり現実性がある。それによって地球が平和になる可能性が高い。杉山徹宗(かつみ)著「平和宇宙戦艦が世界を変える」によると、今のアメリカの軍備は世界ナンバーワンであるが、それを技術的に支えているのが日本。ステルス戦闘機には日本のTDKが開発した技術が使われている。機体の骨組みも日本から持って行っている。日本の最先端技術とアメリカの蓄積を合わせると世界の8〜9割の技術を押えている。

日米が協力すれば、戦艦型宇宙船は直ぐに建造可能。しかし、この戦艦型宇宙船に使われる「GXロケット」は日本しか作れないエンジンが使われているが、民主党政権による事業仕分けで廃止となった。アフガンのタリバンのロケット砲をねらって溶かすレーザー砲を宇宙戦艦に積んで4隻の戦艦をぐるぐる回すと15分に1回は日本も監視できる。新しい国防のあり方として考えられる。