続:新・日本国憲法??

幸福実現党版 新・日本国憲法

これをもっともっと突っ込もうとするのは、表現の自由のある現行憲法の所以。
さあてやるか。

では、実際の日本国憲法にはないけど、六法などには
第9条戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
のように、サブタイトルがついていて、調べるのに便利なようにしてある。

これを件の試案にやってみようと思ふ。

前文
第一条【国民の義務】
第二条【信教の自由】
第三条【行政権と大統領】
第四条【国家元首国務大臣の任免】
第五条【防衛軍・警察権】
第六条【国会】
第七条【大統領令の優越】
第八条【裁判所・最高裁判所長官の任命】
第九条【公務員の登用及びその本質】
第十条【機会の平等の保証・自由権とその性質】
第十一条【国家の責務】
第十二条【マスコミの責務】
十三条地方自治・国家の優越】
第十四条【天皇制】
第十五条【旧・日本国憲法の廃止・改正】
第十六条【補足】

 うわー。呆れる位に、国民の権利が無い。

 現行憲法
第九十七条【基本的人権の本質】
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

を破ることこの上なし。

 まして第1条は「十七条の憲法」を引用したんだろうけど、これって国家(地方)公務員法ですからー、言うなれば。


 加えて国家権力側の憲法擁護義務がない。

 現行憲法で言うところの、
第九十九条【憲法尊重擁護の義務】
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 つまりは、

※大統領(大臣)は憲法をないがしろにしてもオッケー(自由権は法律による制限を喰らってる)
大統領令・国会の法律は憲法をないがしろにしても、以下同文
※司法は、憲法に反する判決を出してもとがめ立てられない
(そのかわり違憲立法審査権も、違憲大統領令審査権も、存在しない)

 そしてそもそも。

※大統領・国会議員・最高裁判所長官の任期が無い→法律で終身制もあり得る。
※国会の会期が書いてない
 (現行憲法
  第五十二条【常会】国会の常会は、毎年一回これを召集する。
 つまりは、「組織はしてるけれども、開催せず」が効いてしまう。
※秘密裁判が効いてしまう
裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
※拷問及び残虐な刑罰の禁止もなければ、刑事被告人の権利もない。
※「マスコミはその権力を濫用してはならず、常に良心と国民に対して、責任を負う。」
→権力の濫用、を見定めるのは為政者。為政者ににらまれたマスコミが、良心を持てるか??
大本営発表の例を引くまでも無かろう。まぁこのアタリは、フライデー事件でやられてるので、気持ちもわからいでもないが…)

 これでどーやって、国家権力の暴走を止めろ、と???


 しかも、法律は大統領令の優越がある。明治憲法の勅令よりもたちが悪い(勅令=現在の政令
 大統領となったが最後。大統領令発しまくって絶対的君主になれるではないか。


 現行憲法で権利として認められてるのが、無条件でスルーされてるのは、かろうじて信教の自由だけ。

第13条 個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉
第14条 法の下の平等、貴族の禁止、栄典
第15条 公務員選定罷免権、公務員の本質、普通選挙の保障、秘密投票の保障
第16条 請願権
第17条 国及び公共団体の賠償責任
第18条 奴隷的拘束及び苦役からの自由
第19条 思想及び良心の自由
第20条 信教の自由
第21条 集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密
第22条 住居・移転及び職業選択の自由、外国移住及び国籍離脱の自由
第23条 学問の自由
第24条 家族生活における個人の尊重と両性の平等
第25条 生存権、国の社会的使命
第26条 教育を受ける権利
第27条 勤労の権利及び義務、勤労条件の基準、児童酷使の禁止
第28条 勤労者の団結権
第29条 財産権
第31条 法定の手続の保証
32条 裁判を受ける権利
第33条 逮捕の要件
第34条 抑留・拘禁の要件、不法拘禁に対する保障
第35条 住居の不可侵
第36条 拷問及び残虐刑の禁止
第37条 刑事被告人の権利
第38条 自己に不利益な供述、自白の証拠能力
第39条 遡及処罰の禁止、一事不再理
第40条 刑事補償

 よくこれで

「国民はこれで守られているのです。憲法を盾に使い、上手に自分たちの権利を守って、生き延びてください。あらゆる暴政や過酷な要求に対抗するために、この憲法を作ったのです」と言ってるわけです(幸福実現党宣言 P89-90)

絵空事を書けたというか。


 日本国憲法が突貫で出来た矛盾だらけのシロモノ、と言う割には、条文同時の衝突(第1条の和を以て〜と、防衛軍の交戦権*1との衝突)やら、条文のとびっぷり(行政と立法と司法が混在)やら、これは寝ながら30分でやっつけで作ったのではないかと。


 これが施行されたら、表現の自由なぞない。(マスコミの責務なんて条文が憲法にある以上、お上にたてつくのは不可能)しかも警察を用意されてるわけだから(しかもしかも。令状主義を記載していないわけだから、難癖を見つけて逮捕するくらいは余裕)ここまで書いた以上、オレは生きてはいられん。


 国外へ逃げるか、ヘルメットとサングラスを用意して、山中に籠もってゲリラになるほかなさそうだ。

*1:交戦権の範囲が無く、やっぱり「朝鮮半島を経済・軍事的に支配&ロシアへ攻め込んで、北方四島を受け取るどころか、シベリア地区植民地化&中国を傀儡政権化&ベトナムミャンマー・タイを占領」したがってるのではないかと…。