またしても企画倒れ

 もうちょっと歴史ネタで引っ張る。

(記紀は、)大和王朝成立後、同王朝の正当性をアピールするために書かれた「イデオロギー的要素の書物」(P91)

と、してまして。

元ネタは中丸薫氏の歴史書ではあろうが

古代天皇家と日本正史―現人神と万世一系の超秘密

古代天皇家と日本正史―現人神と万世一系の超秘密

と、先に書いておいたけど、ようやく図書館から借りられた。

 しかし…突っ込みどころのポイントが、非常にめんどくさいことに。

 表紙の折り返しからして、この有様。

歴史の偽装工作を暴き、ひらかれた天皇制へ向かうためのキーワード!!

  • 朝鮮半島の王族が、日本で天皇として即位していた!!
  • 半島と列島の連結の歴史は抹殺されていた!!
  • 半島と列島の支配者のルーツは、ともに騎馬民族スキタイだった!!
  • 万世一系はスキタイの概念!!
  • スキタイはシュメールの末裔!!
  • 聖徳太子ゾロアスター教の人だった!!
  • 神道のルーツも騎馬民族文化だ!!
  • 大国中国を回避するステップルート(草原ルート)が、中央アジアと半島+列島を直に繋いでいた!!
  • 古代日本海は穏やかで、今は沈んでしまった島々が、半島と列島の往来を容易にしていた!!

 プロローグの自己紹介が非常に鼻につくとかはともかく、これは小説として位しか楽しみ方がないような本であった。

 図録の聖徳太子像が「唐本御影」で紹介されているが、別人説が出てきている(すでに山川の教科書から外れてる)。

もういちど読む山川日本史

もういちど読む山川日本史

 P254-255に霊峰寺の「最古の日章旗」のキャプションが、

神巧皇后三韓征伐の際に掲げられたと書かれている。

と、あるが…

写真を見て「ダウト」と言えるとは思わなかった。
(確かにお寺の縁起には書いてはあるが、さすがにお寺の言う伝承だけでは「自称」になってまう)

「御旗楯無も御照覧あれ!!」

とでも書けばいいのかな?