もう【拡散希望】は信じない

 始めに。
 宮崎県の口蹄疫に関しては、もし初動をドジったとするなら、しっかり政府なり役人なりを叩くのは当然のこと。

 加え、今回はGWがあった&口蹄疫風評被害が怖い=報道体制の腰が定まっていなかった、というのも猛省の必要があろう。

 しかし、これはひどい

『備蓄していた口蹄疫の消毒薬「ビルコンS」を、小沢一郎幹事長が1/3を中韓に無償譲渡、1/3を地元岩手に、残りが九州に渡ったが川南に着いたのはたったの20本』というような拡散情報にまつわるつぶやきのまとめ。
ネタ元はこちら↓
【【拡散希望】 宮崎の口蹄疫・現場の叫び | たまねぎ通信】
http://tokiy.jugem.jp/?eid=645

情報の取捨選択に認知バイアスがかかり、「都合のいい情報は裏取りせずに急激に拡散されていく」という好例です。

横流し事件」の真偽についてはこの中にも含まれていますが、こちらが手っ取り早いです。
【Togetter - まとめ「消毒薬の備蓄について@FumiHawk」】
http://togetter.com/li/20520
参考

 
 「ソース不明の情報」からしてまずは、うーむ。
 しかも、その中に「民主党」「小沢一郎」「外国(特アならなお、焼夷弾に油を詰め込むがごとき)」があれば、こりゃあ拡散するな。

 しかも、JAの名前が違う、薬の単位がおかしい、

 とどめに「口蹄疫を出したら5年は牛を入れられない」
=アフリカ水牛が(口蹄疫のウイルスキャリアが)最も長く最長5年(参考)、がどっかで変化した?
(明確な否定も、ここに
=これが流れる方が、特大の風評被害確定

 もう一回書くけど、政府お役人の対応ミスを叩くのはそれは大いにやれ。しかし「デマだから何だってんですか!」では、もうそれは、自分が叩いている「マスゴミ」と一緒の事をやってるも同じ。

ネタの内容だけ口伝てでRTされていくのは情報の錯綜もあるんでしょうけど、ネタ元のブログは悪意を持って書かれてますね。
事実を追究する攻撃力を上げようとデマを織り込んで煽ると発覚したときに強く敵を利することになりますのでやめましょう。
↑それを狙った工作の可能性は否定できませんが

 これは、国籍法改正の時や、こども手当の時のザイール大使館ネタに続いて3枚目(Twitter拡散はこれで2度目)。
 こう立て続けになると「ワタシはもう、【拡散希望】とついているのは、絶対に信用しない」と、言い切っちゃった方が楽に違いないけど…それは「マスゴミの言うことなんて信用しない。真実はネットの中にあるんだ」と言っているのと、全く変わらない。

 さしあたり、子ども手当の時に紹介した

1)話の出所を確認する
2)誰が言っているのかを調べる
3)キーワードに注目する
4)反論に目を通す
5)数字に注目する
6)理屈で考える
7)実験をやってみる
8)自分の目を疑う
9)願望と事実を区別する
10)正しい科学知識を身につける

を使って、自分がデマの拡散元にならんように、気をつけるほか無いか。さもないと。件のページからの引用になるけど。

誤った使い方をするとネットやTwitterという道具自体が批判のタネになりますので正しく使いましょう。
「ものすごい勢いでデマが広がり訂正は広がりにくく収拾が付かないからTwitterは禁止な」と言わせる隙を与えないように正しく使いましょう

 同意。「Twitterはデマを流すところ」となったら、不幸だし、これで政府役人が規制のタガをはめてきたらどおせえと?