脱!予告倒れ

産経新聞の科学部よ、異常はないか?

 そして、次の日(5/17)の産経抄を読んで、頭を抱える始末。

産経抄】5月17日

 「目標427店!」と薬局チェーンの社長が、店舗数を叫ぶ。そんなCMが、話題を呼んだことがある。目標は高いほどよろしい。来月に迫ったワールドカップで、日本代表チームを率いる岡田武史監督が掲げる目標は、ずばり「ベスト4進出」だ。日本の世界ランキングや最近の対外試合の戦績などを勘案すると、かなり難しそうだが。

▼鳩山政権が打ち出している、温室効果ガス排出量についての目標は、高いというより世界で「突出」している。2020年までに1990年比25%削減するという。それを盛り込んだ「地球温暖化対策基本法案」が、先週末、民主、社民両党の賛成多数で可決された。

▼もっとも5月半ばまで肌寒い日が続くと、地球の温暖化といわれてもピンとこない。温暖化の科学的な根拠を支えてきた学者たちに、捏造(ねつぞう)疑惑が持ち上がっていると聞けば、なおさらのことだ。

▼中部大学教授の武田邦彦さんによると、「『CO2・25%削減』で日本人の年収は半減する」そうだ。そのままをタイトルにした著書(産経新聞出版)の刺激的な内容には、異論もあるだろう。ただ政府が、目標達成のために国民にどれほどの負担を強いるのか、ほとんど説明していないのも事実だ。
(以下略:参考

 さあて、書くか。

鳩山政権が打ち出している、温室効果ガス排出量についての目標は、高いというより世界で「突出」している。2020年までに1990年比25%削減するという。

 この25% には、ウラがあることをお忘れのようで。
 しかしまぁ、この演説からまだ1年もたっていないんだな(トオイメ)

しかしながら、もちろん、我が国のみが高い削減目標を掲げても、気候変動を止めることはできません。世界のすべての主要国による、公平かつ実効性のある国際枠組みの構築が不可欠です。すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が国の国際社会への約束の「前提」となります。
参考

 米国・中国の「やる気なし状態」を縛り付けて、COP15につなげよう(と、したはずが見事にうまくいかなかったのも又事実)というモクロミが、この-25% にはあり、しかも、排出権取引や技術移転による削減(日本の省エネ技術移転によって削減された温室効果ガスは、日本の削減として減算できる)もコミの数字。真水で -6%と比して「厳しいことは厳しいが、EUの -8%に比べれば。(参考:pdf )」

 そして、実は真水で -6%は、2008年に達成できていた可能性すらあった。…でもこの方法(不況によるエネルギー消費減少)での達成は困りものだけど。
原子力発電所が長期ダウンをしていなければという条件で)
(参考 pdf

もっとも5月半ばまで肌寒い日が続くと、地球の温暖化といわれてもピンとこない。

 ここで大爆笑。そういえば2月にも爆笑してた。
 ここへの批判は、もう一回これで。

==ここ、2/14と同じ事==
 さて、きちんと古森氏のエントリ批判だけど、ここは安井至氏のこの見解を借りれば充分だ。

A君:次に行きます。2001年以降、気温上昇は止まっている、という赤祖父氏の主張があります。

B君:これは、極めて単純な話で、何年間のトレンドを解析するか、というだけ。気温などは揺らぐのが当然。いつだったか、日経の記事を批判したことがあるが、1年2年の傾向で、温度が上がる下がるという話は、気象の話。温暖化は、「気候の話」。気候とは、本来50年オーダーでの平均的な話だ。
参考:赤文字はワタシ)

==ここまで==

 そしてとどめが、

中部大学教授の武田邦彦さん

「『CO2・25%削減』で日本人の年収は半減する」(産経新聞出版)の宣伝という気もしてきたが、実はまだ原本に当たっていない。今のところはにやつくくらいで止めておく。「過去の批判への批判は出たんですか?」と。

 武田氏への批判は、藤倉良氏のこれを借りて。

だから、100%絶対に正しいリサイクルもなければ、100%絶対に間違っているリサイクルもない。

 私はペットボトルのリサイクルはかなり白に近い灰色だと思っている。多くの環境科学者はそう考えているだろう。しかし、絶対に白だとは言い切れない。だから、リサイクルを肯定する研究者の言葉は、いつも条件付きで歯切れが悪い。

 その点、武田さんの言説は一刀両断歯切れが良い。「駄目!」と言明する。しかも、リサイクルは良いという「常識」に挑戦している。だから、マスメディアにも受けるし、市民が受ける印象も強い。結局、多数の研究者の「学者っぽい」指摘よりも、武田さんの断言が勝ってしまう。
参考